お墓参りやお仏壇参りをする時には【お線香】を供えます。
また、お葬式や回忌法要に参列した時には【お焼香】をします。
このように、仏様や亡くなった方を供養する時には『お香』を供えますが、あなたはその意味をご存じでしょうか?
ただ【何となく、見よう見まね】でお香を供えていませんか?
お香を供えることには重要な意味があります。
せっかくですから、意味を知った上でお香を供えましょう。
《お香を供える意味》
お香を供えることには一体どのような意味があるのでしょうか。
お香を供える意味には、
- お香を供えて出る【香り】が仏様の食べ物になる
- お香を供えて出る【香り】でその場を清める
- 線香を供えることは、供えている人自身の【精進】を表す
というものがあります。
これらを一つ一つしっかりと意識しながらお香を供えると【あなたの心】が込められていきますので、それだけ供養の質がグッと上がるのです。
〖お香を供えて出る【香り】が仏様の食べ物になる〗
お線香やお焼香など『お香』を燃やすと、お香から良い【香り】が出てきます。
お香から出る【香り】を嗅ぐと、何となく気持ちが落ち着き、心が癒されませんか?
じつは、お香から出る【香り】というのは、
- 仏様の食べ物
になると言われています。
これは、『阿毘達磨倶舎論【あびだつま(だるま)くしゃろん】』という経典に書かれており、『香食(こうじき)』と呼ばれるものです。
ですから、お香を供えることは【仏様にお食事を召し上がっていただく】ということになるのです。
〖お香を供えて出る【香り】でその場を清める〗
お香から出る【香り】には、もう一つ、
- その場を清める
という効果があるとされています。
お香は仏様へ供えるものなので、お香そのものが【清らかなもの】であると考えます。
清らかなものを焚いて出てくる【香り】も、当然ながら【清らかな香り】になっているわけです。
お香を焚いて出てくる【清らかな香り】は、【香り】が届く場所をすみずみまで清めてくれるのです。
つまり、お墓参りではお墓全体を、お仏壇参りではお仏壇をはじめ家全体を清めている、ということです。
焼香も同じように、お葬式では式場全体を清め、お寺での法事の場合は本堂全体を清めているのです。
〖お線香を供えることは、あなた自身の【精進】になる〗
お墓参りやお仏壇参りの時には【お線香】を供えます。
いつもあなたが供えているお線香には、あなたにとっても大事な意味があるのです。
お線香を供えることは、
- あなた自身の【精進】
を意味しています。
お線香に火を着けると、ゆっくりジワジワと燃え進んでいき、いずれは燃え尽きます。
それが、
- 地道に修行を続けて【煩悩】を一つずつ焼き払い、やがて全ての煩悩が無くなって『悟りを得る』こと
を象徴しているのです。
つまり、お線香を供えることにより、ご先祖様達に「私も日々精進してまいります。」ということを意思表示する、というわけですね。
このように、お線香を供えることは、仏様のためだけではなく、あなた自身のためにも意味がある行為なのです。
《お香を供えると仏様とあなたに功徳がある》
お香を供えることは、
- 仏様の食べ物になる
- その場を清める
- 供える人自身の精進を表す
という意味があります。
これらのような『仏様の供養』や『修行』に関するものを行うことにより『功徳』が積み上がります。
功徳とは、簡単に言うと【善い行いに対する報いやご利益】です。
ですから、お香を供えることで、仏様は更なる供養を受けて、あなたにはご利益があるというわけです。
これを意識するのとしないのとでは、お参りの質が変わります。
ですから、ただ何となくお香を供えるのではもったいないですよ。
お香を供える意味をしっかりと理解した上で、心を込めてお供えして、質の高い供養をするようにしましょう。