「管理料を払っているのに、うちのお墓の雑草を取ってくれないんですか?」
ときどきこのような問い合わせを頂くことがあります。
寺院や霊園の【管理料】について、その内容を誤解している人が多いようです。
じつは、寺院や霊園の管理料は、個々のお墓を1つずつ清掃したり手入れをするための費用ではありません。
この記事では、意外と知られていない寺院や霊園の管理料の内容について解説しています。
本記事をご参考に、あなたが支払っている管理料について理解を深めてみてください。
《寺院や霊園の管理料は『個々のお墓の管理料』ではない》
寺院や霊園に支払う管理料を【個々のお墓を維持するための費用】と認識している人は多いです。
しかし、じつは寺院や霊園に支払う管理料というのは、
- 施設の維持管理費用
- 共用スペースの維持管理費用
- 宗教活動の費用
など『施設全体』における費用を指しており、個々のお墓の管理料ではありません。
【施設の維持管理費用】
寺院や霊園には、
- 礼拝施設(本堂など)
- 会館(参拝者用施設や資料館など)
- 霊園の管理棟
などの【施設】があります。
これらの施設を維持管理するためには、水道光熱費、修繕および改築費用、事務用品や備品の購入費用、そして人件費や広告費などが必要です。
どの施設も利用者の皆様が使用するものであるため、これらの維持費用は利用者が支払う管理料でまかなわれています。
【共用スペースの維持管理費用】
寺院や霊園には、
- 駐車場
- 通路
- 水場
などの共用スペースがあります。
これらの共用スペースは利用頻度が高いので、美観と利便性を保つために、頻繁に清掃や植栽の管理をしなくてはなりません。
そのため、継続的な維持管理費用が発生しますが、それらの費用も管理料から捻出されています。
【宗教活動の費用】
寺院ではさまざまな宗教活動をしています。
宗教活動には、
- お葬式
- 法事
- お盆やお彼岸の供養
- 除夜の鐘や元旦の法楽
- 縁日の供養
などたくさんあり、これらの宗教活動を維持していくためにも費用がかかります。
また、霊園でもお盆やお彼岸の供養といった宗教行事が行われていますので、同じように宗教活動の費用が必要です。
そして、これらの費用は寺院であれば檀家様、霊園の場合は霊園利用者の管理料でまかなわれています。
《管理料は『共益費』や『自治会費』みたいなもの》
寺院や霊園へ支払う管理料は、例えば、マンションなどの集合住宅でいえば『共益費』で、戸建てでいえば『自治会費』みたいなものです。
共益費や自治会費は、どちらも《皆が使用する施設や場所》を維持管理するための費用です。
そのため、管理料を支払っても、個々の家や部屋を維持管理してもらえるわけではありません。
寺院や霊園も同じように、管理料を支払ったとしても、個々のお墓の維持管理をしてもらえるわけではないのです。
《管理料についてよくある質問》
ここで、管理料に関するよくある質問を紹介します。
【管理料が払えなかったらどうなりますか?】
管理料は、墓地(墓所)を使用している限り必要となる費用です。
しかし、もしも管理料が支払えなくなったらどうなるのでしょうか?
基本的に、管理料が支払えなくなった場合は、墓地の使用権が停止され、墓地の返還をすることになります。
ただし、すぐに使用権の停止や墓地の返還となるのではなく、一定期間の未払いがあった場合に相応の措置がとられます。
管理料の支払いについては、寺院や霊園ごとの規程に定められているので必ず確認をしてください。
また、支払いが困難となりそうな場合は、事前に寺院や霊園に相談をしておきましょう。
【管理料が値上がりすることはありますか?】
管理料は値上がりすることがあります。
施設全体の管理に必要なものの物価が上がると、管理者の判断により管理料を値上げすることがあります。
【管理料はどのように支払えばいいですか?】
管理料の支払い方法には、
- 現金を寺院や霊園に持参する
- 指定口座へ振り込む
- 現金書留で郵送する
などがあります。
ただし、すべての寺院や霊園がこれらの方法に対応しているわけではありませんので、一度確認をしてみてください。
そして、できれば管理料はご持参いただき、そのときにお墓参りをしてほしいなと思います。
【管理料の前払いはできますか?】
事情によっては管理料を前払いしたいという人もいるでしょう。
管理料の前払いができるかどうかは寺院や霊園によって異なります。
また、前払いができたとしても、前払いできる年数が決まっているなど、何らかの制限があるかもしれません。
先に管理料を支払っておきたい場合は、事前に寺院や霊園に確認をしておきましょう。
【管理料のかからないお墓はありますか?】
お墓を持っている限り、原則として管理料はかかります。
しかし、まだ数少ないですが『管理料が不要』というお墓もあります。
管理料が無ければ金銭的負担が軽減されることはもちろん、今後の《お墓の継承者》も確保しやすくなります。
お墓がほしいけれども後代の人に迷惑をかけたくないという方は、『管理料が不要』のお墓を探してみてください。
《まとめ》
寺院や霊園の管理料は、個々のお墓を維持管理するものではありません。
管理料は、共用の建物やスペースなど【施設全体】を維持管理し、利用者みんなが心静かにお墓参りできる環境を保つための費用です。
墓地の契約をするときは、事前に管理料の内訳を確認し、誤解のないようにしましょう。
《金剛院には『管理料無し』のお墓があります》
金剛院では『管理料無し』の墓地をご用意しています。
自家のお墓がほしい、でもなるべく子供たちに負担をかけたくはない、という方は一度当院の墓地をご見学なさってみてください。
〖真言宗 智山派 金剛院〗
〒331-0823
埼玉県さいたま市北区日進町1-758
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