仏教には『諸行無常』という教えがあります。
これは、簡単に言うと、
- 『あらゆるものは【常に同じでいる】ことはなく、変化し続けるものだ』
という教えです。
私たちの命もまた無常です。
ずっと生き続けることはできず、すべての人が平等にいずれその命を終えることになります。
私たちは、大切な家族が亡くなった時には【お葬式】を執り行います。
あなたも今までにお葬式に参列したことがあると思いますが、そもそも『なぜお葬式をするのか』をご存じでしょうか?
お葬式といえば、お坊さんがお経を読んで、親戚や知人が集まり、お焼香などをして故人と最後のお別れをする、というイメージですよね?
それも間違いではありませんが、じつは、他にも重要なことをしているんですよ。
この記事を読んで頂ければ、お葬式の本来の意味、そして、お坊さんがお葬式で何をしているのかがわかります。
《お葬式をする意味とは何?》
あなたは、【お葬式】と聞いてどのような光景を思い浮かべますか?
きっと、先ほど言ったような、
- お坊さんが来て、お経を読む
- 親戚や知人が集まり、参列者全員がお焼香をして、故人との最後のお別れをする
という光景ではないでしょうか?
じつは、それらの他にもとても重要な『儀式』をしています。
仏式でお葬式を執り行う場合、式の中では、お坊さんが故人に対して【引導(いんどう)】を渡します。
言い方を変えると、故人に対して『今後進むべき道を示して導いてあげる』というわけです。
これをすることによって、故人は安心して仏様の世界へと旅立つことができるのです。
このように、故人に対して引導を渡す儀式のことを『葬儀(そうぎ)』といいます。
一方で、お焼香をしたり弔辞を読んだりするのは『告別(こくべつ)式』といいます。
つまり、一般的に【お葬式】と呼ばれるものは【『葬儀』と『告別式』が合わさったもの】ということなんですね。
《お葬式でのお坊さんの役目》
お坊さんは、葬儀の中で故人に【引導】を渡します。
では、引導を渡すとは具体的にどのようなことなのでしょうか?
引導とは、要するに、
- 故人に【仏弟子】となってもらうことで、仏様に故人を託して、ずっと守ってもらえるようにする
ことです。
まず、故人には仏の道を歩んで頂くために【出家】をしてもらい、【仏弟子】となって頂きます。
仏弟子となって頂くために、お坊さんは故人に対して【戒(かい)=仏弟子としての約束事】を授けます。
これを、授戒(じゅかい)といいます。
戒を授かった故人は、それ以後は【戒名(かいみょう)】を名乗ることとなります。
よく耳にする【戒名】とは、
- 出家をして授戒をされた者の名前
という意味です。
そして、仏弟子となった故人を仏様の元へと託して、その後もずっと故人のことをお守り頂くのです。
《まとめ:お葬式は【故人を仏様に託す】ための大事なものです》
お葬式を執り行うのは、故人に【仏弟子】となってもらい、仏様に故人を託して、ずっとお守り頂くためです。
そのために、お坊さんは故人に対して【引導】を渡して、今後進むべき道を示して導いているのです。
この、故人に引導を渡す儀式のことを『葬儀』といい、お葬式の中で最も大事な部分となります。
お坊さんと故人の間で『葬儀』という儀式を執り行っている時に、喪主や参列者は焼香をして故人との最後のお別れである『告別』をします。
つまり、私たちが一般的にお葬式と呼んでいるのは、『葬儀』と『告別式』を合わせたもの、というわけですね。
最近では「お葬式なんて不要なのでは?」という声も上がっていますが、お葬式をしないと、故人は【今後、自分がどこでどうすればよいのか】がわからなくなってしまいます。
故人様に仏様の世界で安心して過ごしてもらうためにも、お葬式は執り行ってあげましょう。
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