今、社会現象といってよいほど話題となっている鬼退治のアニメがあります。
このアニメの原作の売り上げはもちろん、アニメ劇場版の興行収入が歴代の記録を更新しそうなのだそうです。
このアニメの重要な登場人物のうちの一人に【人として生きていこうとする姿勢や言葉】が非常に心を打たれ、「こんな人が上司にいれば理想的なのに」という声が上がるくらい人気のキャラクターがいます。
そのキャラクターが口にした、
- 《【年齢を重ねること】も【命を終えること】も、それらは人間という儚(はかな)い生き物が持つ美しさなのだ》
という内容のセリフがあります。
このセリフを聞いて、「おやっ?このキャラクターはもしかして【仏教徒】なのでは?」と思ってしまいました。
なぜなら、セリフの意味するところが仏教を世に広めたお釈迦様の教えである『諸行無常』と非常に似ている部分があるからです。
『諸行無常』とはお釈迦様の説かれた有名な教えで、〈祇王精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり、沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす〉という平家物語の冒頭の一節にも出てきます。
『諸行無常』とは、
- この世のあらゆるものは常に変化していて永遠に同じであり続けることはない
という意味です。
例えば、どんなに堅牢な建物であってもゆっくりと老朽化しますし、私たちの体も爪や髪が伸びたり、体の中の細胞が日々新しく生まれ変わります。
つまり、一見すると同じように見えていても、数秒前と後では違っているのです。
ちなみに、人間の細胞が全部入れ替わるのに7年程度かかると言われています。
今ある自分の細胞が7年後には全部無くなり、キレイに入れ替わっているのですから不思議ですよね。
この『諸行無常』という教えは「《今》という瞬間は《今》しかないのだから、過去を悔やむことがないように《今》を懸命に生きなさい」という教えです。
現代では医療が発達しており昔と比べて長生きができるようになりましたが、どんな人でも必ず『死』は訪れます。
だからこそ毎日を一生懸命に生きて、《今》という一瞬一瞬を無駄にすることなく限りある命を大切に過ごすべきなのです。
限りある命の《今》を一生懸命に生きるからこそ、アニメのキャラクターのセリフのように私たちが美しくいられるのではないでしょうか?