あなたは毎日どうやって仏壇にお参りをしていますか?
ロウソクに火を灯し、線香・花・供物・水を供え、ご先祖様や亡きご家族のお位牌に向かって手を合わせる、というようなお参り方法でしょうか?
お仏壇をお参りする時には【位牌に向かって】手を合わせるという人が多いのですが、それだけでは不十分です。
不十分といいますか、それだけでは本来のお仏壇のお参りではありません。
なぜなら、原則として『お仏壇はご本尊様に手を合わせるためにある』からです。
《仏壇の意味》
あなたが毎日手を合わせている仏壇を一度よくご覧になってみて下さい。
立派な段の中央にはご本尊様がおられて、その両脇には他の仏様や各宗派の開祖の像が安置されて、電飾の灯篭(とうろう)や常花(金色の蓮の花)などいろんな仏具があるはずです。
よく見ると、仏壇の構造って何かに似ていると思いませんか?
じつは、仏壇というのは【お寺の本堂】に似せて造られているのです。
なぜ、お寺の本堂に似せているのでしょうか?
それは、仏壇が【お寺の本堂の代わり】をするものだからです。
あなたの家のお墓は、どこかのお寺の墓地にありますか?
「はい」と答えたあなたは、毎日そのお寺へお参りをするようにしましょう。
あなたの家のお墓がお寺にあるということは、あなたはそのお寺の【檀家=信者】である、ということになります。
つまり、そのお寺の【檀家=信者】である以上、あなたは本堂におられるご本尊様を毎日お参りするべき立場にあるんです。
・・・えぇ、そうですよね、わかっています。
毎日ご本尊様をお参りするなんて、時間が無くてそんなことはできませんよね。
そうなんです、毎日お寺へ行くなんてほとんどの人ができないんです。
だから、仏壇というものがあるのです。
毎日お寺には行けないので、お寺の本堂の代わりになるものとして仏壇を作り出し、お寺のご本尊様の代わりに、仏壇のご本尊様に手を合わせるようになった、というわけです。
しかし、だからといって『毎日ちゃんと仏壇に手を合わせているのだから、本堂にお参りをする必要はない』ということではありませんよ。
あくまでも、あなたが手を合わせるべき対象は、『あなたのお墓があるお寺のご本尊様』なのです。
日頃あなたの家のお墓やご先祖様たちを守ってくれているのは、お寺のご本尊様ですので、それを忘れてはいけません。
時間の都合がつくのであれば、積極的にお寺を参拝するようにしましょう。
《仏壇の役割》
あなたは、仏壇を【家族の誰かが亡くなってから用意するもの】と思っていませんか?
先述のとおり、仏壇は【お寺の本堂の代わり】をしているものなので、家族の不幸の有無にかかわらず仏壇は家にあってもいいんですよ。
お寺の本堂は、仏様の教えを学ぶための道場であり、ご本尊様を礼拝するためのものです。
つまり、仏壇も同じように、仏様の教えを学ぶための道場であり、ご本尊様を礼拝するためのもの、ということになります。
ですから、家族が誰も亡くなっていない家に仏壇があったとしても全く不自然なことではありません。
あくまで、ご本尊様を礼拝するために仏壇があるのです。
では、位牌を仏壇に安置してはいけないかというと、そうではありません。
仏壇の中はご本尊様がおられる神聖な空間です。
位牌は故人の魂の依代(よりしろ)となる大切なものなので、ちゃんと神聖な空間に安置して、ご本尊様にお守り頂くのです。
仏壇はご本尊様を礼拝するものであり、位牌を安置することは本来であれば二次的な役割だったのですが、現在では【仏壇には位牌を安置するもの】というイメージの方が定着しています。
《仏壇の開眼供養はしましたか?》
あなたは、仏壇を購入した後ちゃんとお坊さんに『開眼供養(かいげんくよう)』をしてもらいましたか?
仏壇の中央に安置する【ご本尊様に魂入れをする】ことを開眼供養といいます。
ご本尊様に魂入れがされて、それではじめて、あなたやあなたの家全体を守ってくださる状態になるのです。
ですから、もしも「まだ開眼供養をしていなかった」というあなたは、できるだけ早めに開眼供養をしてもらって下さい。
《仏壇に手を合わせましょう》
仏壇に毎日手を合わせましょう。
毎日仏壇に手を合わせることは、毎日お寺の本堂をお参りしていることと同じです。
まずはご本尊様に手を合わせて下さい。
それから、位牌に向かって手を合わせて下さい。
仏壇に手を合わせると、ご本尊様からの恵みが注がれるだけでなく、位牌を通じてあの世の故人と繋がることができます。
手を合わせたら、ご本尊様に【日々の感謝の気持ち】を伝えましょう。
そして、あの世の故人には【あなた自身のこと】や【あなたの家のできごと】などを報告してあげてください。
仏壇のお参りを毎日続けて、仏壇をあなたの【心の拠り所】にしましょう。